台本を読んで泣き、試写を観て衝撃を受けてまた泣いて、デビュー以来、41年で初めて書き下ろした映画主題歌。歌い終わると森山はニッコリとほほ笑み、「登場人物たちの崇高な生き方と映画に流れる思いの邪魔にならないよう、一つでもそぐわない言葉を使ってどこか汚してしまうことがないよう、一言書いては消し、書いては消して作りました。どれくらいかかったかわかりません。数カ月かナ」と、創作の舞台裏を明かした。

 同曲誕生のきっかけは、森山の母校、成城高校の先輩で映画プロデューサー、黒澤久雄氏(62)を通じて面識のあった小泉監督の熱烈オファーから。

 森山は学生時代、毎晩のように仲間同士で黒澤家に集まり歌っていた。当時、久雄氏の父、故・黒澤明監督が「目を細めて聴いてくれました」と森山が振り返ると、小泉監督が、師匠の黒澤監督から「『聞こえてくる森山さんの歌声が素晴らしいんだよ』と聞かされていました」と、思い出話を明かす一幕もあった。

 一方、舞台あいさつには、主演の藤田まこと(74)演じる岡田中将の妻を演じた富司も出席。森山の歌唱中、「ちょっと見てみたいわね」と言って、舞台袖からのぞいていたという富司は「ナマでこんなすてきな歌声を…。タダで聴かせていただいてスミマセン」とちゃめっ気タップリに話し、会場の笑いを誘っていた。
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